■ 「岩波講座 日本歴史」刊行始まる 東アジアの視点を導入


「岩波講座 日本歴史」刊行始まる 東アジアの視点を導入

著者:大津透、桜井英治、藤井譲治  出版社:岩波書店 価格:¥ 3,360

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 日本史の通史の定番といわれる『岩波講座 日本歴史』(全22巻、岩波書店)の刊行が始まった。前シリーズの『日本通史』(全25巻)の完結から18年。今回のシリーズには、様々な意味で日本史研究の現在が反映されているようだ。

 岩波が『日本歴史』と題したシリーズは1933年、62年、75年からの計3回刊行された。昨年11月から配本が始まり、これまでに第1巻(原始・古代1)、第6巻(中世1)、第10巻(近世1)の3冊が出た。
 内容は、極めてオーソドックス。第1巻は、巻頭で全体の編集委員でもある大津透・東京大教授が古代史研究の意義と流れを概観したうえ、8氏が時代ごとに論じるスタイルを取る。網野善彦氏らが編集委員を務めた前シリーズの第1巻(日本列島と人類社会)が、「人口誌」「山の生活」「海の生活」「神話論」などの項目から構成されていたのとは対照的だ。
 かわって導入されたのが、東アジアの視点だ。編集委員の一人である李成市・早稲田大教授が同社の雑誌「図書」で「日本史研究の読者というのは、もはや日本人だけではない」としたように、中国や韓国など海外の研究者の耳目も集める。また、国の枠を超えた視点でしか見えてこない事象や切り口も存在する。
 このため、今回は、列島内外の多様なありようを描く「地域論」、オーラル・ヒストリーなどを扱った「史料論」、グローバル・ヒストリーやジェンダーを論じた「歴史学の現在」という3巻のテーマ巻を設けた。細分・個別化された研究が全盛の日本史研究のいまを淡々と提示しつつ、可能性を探ろうと試みているとも言えそうだ。
 販売中の3冊はいずれも3360円。全巻予約のみの頒布で、申し込みは28日に締め切る。

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