【PTSDにはいろいろな症状があるのです・・】

 【PTSDにはいろいろな症状があるのです・・】

PTSDの症状
アメリカでの精神障害の指針となっている、DSM-III-Rでは、「PTSDと診断するには、人間が通常生活している時には起こらないような、生死にかかわる緊急事態を体験したり、目撃した経験があること」が前提になっています。 

この経験が心に傷をつくり、それがトラウマとして心や脳に、間違った信号を送るのです。

人生の中には、悲しいことや、怖いこと、人の死に遭遇することがたくさんあるでしょう。 大好きな祖父を癌でなくした、父や母、子供に先立たれた、兄弟が失踪した、職を失った、職場で無視されている、失恋した等…たくさんの悲しい出来事や、恐ろしい出来事を考えだすことができます。 

しかし、このような悲しい出来事と、PTSDを引き起こすと考えられている出来事(トラウマ)には少し違いがあります。 PTSDのトラウマとなる出来事は「通常の、平和で安定した社会生活ではおこらないとされている異常事態」で、「自己の生命も同時に脅かされている、または、脅かされていると思わせる」できごと、そして「この世界は残酷で無情、人は外部に対して無力だ」と過剰に認識させる、シチュエーションなのです。

PTSDと判断するには、下記の4つの項目を充たしていることが前提となります。項目1がひとつ以上、項目2の心的症状が2つ以上、項目3の身体的症状が2つ以上、そして項目4が当てはまって初めて、PTSDと診断されます。


項目1-生命が脅かされる体験をした

生命を脅かされるような出来事を、自分が経験した場合
事故、災害、事件、大病、手術、戦争など、自分の生命が脅かされるような体験によるトラウマ(心の傷)がPTSDを引き起こします。実際に怪我をしなくても、「殺される、死ぬ、と恐怖すること」自体がトラウマ(心の傷)となって、PTSDになるのです。

生命を脅かされるような出来事が、自分の大切な人にふりかかった場合
身近な人が、生命を脅かされるような体験をしてPTSD苦しんでいる場合、周りの人が一緒にPTSDになる場合があります。身近な人とは親友や家族など、毎日の生活に無くてはならない大切な人々を指し、遠縁のいとこや知り合いなどは入りません。

生死にかかわるショッキングな場面を目撃した場合
ひどい交通事故を目撃した、犯罪の現場に出くわした、などひょんなことでショッキングな場面を目撃した場合、又は、警察や医療関係者など犯罪や災害の救助にあたる人が、あまりの悲惨さにPTSDをおこす場合もあります。


項目2-トラウマに関連する心的症状がある
離人感
離人感とは、自分が自分でないような、自分がその場に居ないような気分の事です。 PTSDでは、被害のショックで離人感が強くなります。

失感情
上記の離人感と似ていますが、こちらは「感情が湧かない」という症状を指します。事件の後、事件がまるでテレビの中の空絵事のように思えたりして、かえって冷静になってしまったりするのです。

フラッシュバック
事件の後、日常生活の中で、ふいに事件の情景が頭を走馬灯のように通り過ぎ、自分でも感情の収拾がつかなくなる症状のことを指します。トリガー(事件を思い出させる事や物)、がきっかけになる場合が多いのです。

悪夢や睡眠障害
寝ている間に、脳がトラウマをいやそうとして、悪い夢を見たり、夢の中で叫んだり、寝汗をかいたりします。このような症状から、不眠などの睡眠障害がおこる場合もあります。

対人恐怖や引きこもり
トラウマにより、人を信用できなくなったり、人が恐くなってしまったり、自信を失ってしまったりします。そのため、人と話すのがおっくうになったり、外に出るのが嫌になってしまったりします。このような症状がひどくなると、アゴラフォビアや対人恐怖、パニック障害になります。

鬱、やる気の無さ、無関心
ショッキングな出来事を体験する事で、日常生活がどうでもよく思え、やる気がなくなります。平和な日常がどうでもよく思えたり、今まで好きだったテレビ番組やゲーム、趣味などにも関心が湧かなくなります。性的関心もなくなります。これがひどくなると、鬱病となります。

項目3-トラウマに関連する身体的症状がある

パニック障害
理由も無いのに、突然、心臓がドキドキしたり、冷や汗がでたり、めまいが起きたり、吐き気がしたり、失神したり、発熱したりします。心配事がどんどん頭を占領して、にっちもさっちもいかなくなる人もいます。

怒りやイライラ感
訳も無くイライラしたり、八つ当たりがしたくなったり、怒りの感情がわくことを指します。どうしようもなくなって、ケンカをふっかけてしまったり、無謀な運転をしたり、危険な行為をしてしまったりする場合も、怒りの変形である場合が多いのです。

過度の驚愕反応
大きな音がすると過剰に反応してしまったり、寝ている間にささいな音で飛び起きてしまったりすることを指します。

集中力のなさ、刺激の追求
やる気がおきなかったり、ひとつのことに集中できなくなります。また反対に、刺激を求めて、ひとつの仕事を続けていけなくなったり、放浪したり、定住できなくなったり、性的に淫らになったり、ギャンブルやアルコール中毒になる場合もあります。

項目4-症状が持続している
2と3の項目で述べられた症状が1ヶ月以上続く
PTSDでは、上記の心的症状と身体的症状が、「原因となるトラウマのおこった日から数えて、1ヶ月以上続くこと」が前提です。



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