■警察不祥事


再生誓ったはず 緊張感薄れ…急増する「警察不祥事」
産経新聞12月23日(日)12時5分

今年の主な警官の不祥事

 警察官の不祥事が止まらない。22日にも、富山市で2年前、会社役員の男性と妻が殺害され、放火された事件で、富山県警の現職警部補、加野猛容疑者(54)が逮捕された。今年1年で懲戒免職となった警察官は50人以上となる見通しで、近年では最悪だった平成14年と肩を並べるペースだ。警察で何が起きているのか。(尾島正洋)

 ◆「憂慮すべき事態」

 「今年上半期だけでも免職、停職は最悪のペースで増えた。最も厳しい処分の懲戒免職は過去最悪だった平成14年の59人と同じ程度か、超えるかもしれない」。警察庁幹部は懸念を示す。

 当時の本部長らが警察官の覚醒剤使用を隠蔽(いんぺい)した神奈川県警覚醒剤もみ消し事件や、長年監禁されていた女性の保護当日に新潟県警幹部らが雪見酒に興じていて批判されるなど、平成11〜12年は前代未聞の不祥事が続発。失われた信頼を取り戻すため、警察は再発防止に取り組み、年間400〜500件に上った懲戒処分は、21年には242件にまで減少した。

 ところが、22年に増加に転じ23年は367件、今年は上半期だけで205件に上り、年間で再び400件台になる勢いだ。

 今年発覚した不祥事は、2女性が殺害された長崎ストーカー事件で被害届の受理を先送りしたことや、暴力団員から賄賂を受け取った汚職事件、少女を泥酔させた強姦(ごうかん)事件など悪質。警察庁幹部は「数も多く質も悪い。非常に憂慮すべき事態」と表情を曇らせる。

 懲戒処分の対象ではないが、パソコン遠隔操作事件で4人を誤認逮捕。尼崎連続変死事件では角田(すみだ)美代子容疑者(64)の自殺を防げず、事件の全容解明を困難にする失態も演じた。

 ◆特別な仕事意識なく

 「警察は再生を誓ったはずだが、最近は緊張感が薄らいでいる」。不祥事が続発した12年に有識者で発足した警察刷新会議のメンバーだった評論家、大宅映子さんは現状を批判する。

 同会議が再発防止策を提言した当時は緊張感が高かったというが、団塊世代の大量退職、それに伴う大量採用で多くの警察官が入れ替わった。「若い人に警察官という特別な仕事に就く意識がないうえ、かつての大きな不祥事を知らない人が多い」と指摘する。

 同会議には、元警察庁長官の後藤田正晴元官房長官も名を連ねた。大宅さんは「自責の念からか後藤田さんは『大変申し訳ない』と謝罪していた」と振り返る。「当時の警察に怒り、言葉も厳しかった。生きていたら今の状況を嘆くのでは」と推し量る。

 ◆情報公開と教育を

 不祥事の隠蔽を防ぐため、警察庁は13年、重大な懲戒処分を原則公表する方針を打ち出した。しかし、警察官の不祥事に詳しい清水勉弁護士は「情報公開は良いのだが、懲戒処分の基準が曖昧な点が警察内部で不公平感を生んでいる」と問題点を指摘する。

 懲戒処分の基準に満たない不祥事を各地の警察に情報公開請求したところ、悪質でも懲戒処分にされない事例が多く見受けられたという。

 「未公表の不祥事でも警察内部では多くの人が知っている。同じような事案でも処分されたり、そうでなかったりでは不公平感が募る。そこにノルマが厳しいとストレスがたまり、新たな不祥事が生まれる」と指摘。「管理職の裁量でなく、より明確で公平な処分の基準が必要」と話す。

 一方、大宅さんは「恥をさらすことにもなるが、覚醒剤もみ消し事件など過去の苦い事例を若い警察官に示して教育し、再び失敗から学ぶことが大切だ」と指摘した。

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